予知するアンテナ

もう一度プラズマを勉強しては! | 地震予知・予測なら「予知するアンテナ」関東版

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もう一度プラズマを勉強しては!

 最新の電気学会誌に東工大名誉教授石井彰三先生の記事が出ており、読んだところその内容に痛く共感したため、先生の記事も参考にし、プラズマ(plasma)について書きます。
石井先生は電気学会の委員会でよくお会いしたプラズマ工学の大家です。


 物質の状態には固体、液体、気体の3種類がある事は皆様もご存じだと思います。第3の状態の気体に外部からエネルギーを加えると、気体を構成する分子の結合が破れ、電気を持った電子とイオンにわかれ、それぞれ運動するようになる。これが第4の状態のプラズマです。実は、宇宙空間の99%、ほとんどがプラズマで出来ており、私たちが地震予知のため監視している電離層からはじまる上空の空間は言うまでもなくプラズマ状態です。


 最近の工学部電気/電子工学の学生さんへの授業は、情報系授業の著しい増加に伴い、すべてその内容が否応なしに表面的で、深みに欠けていると言わざるを得ません。あまりいい傾向とは思いませんが。やはり基礎となる主要科目を徹底的に教え、学ぶ方が将来のためになると思うのですが。私たちの学生時代は東京オリンピック(1964年)の頃で、電子産業界は真空管から半導体に置きかわる過渡期でした。現在の電子デバイスや電子回路に関する授業では、言うまでもなく半導体素子が中心で、真空管は全く登場しません。博物館に出掛ければ見られますが。
さて、プラズマには正確な定義がありますが、実は一般社会とよく似ており、私は授業でこんな風に教えていました。負電荷をもつ電子と正電荷のイオンがほぼ同数存在し、電気的にはほぼ中性であることが第一の条件です。ここで、軽い電子を男性とし、イオンを女性と例えば、この第一条件は満足されます。第二は、時として電子もイオンも集団運動をすることです。一般社会でも全く一緒ではないですか。このプラズマ物理の発展は、1950年頃から始まる夢のエネルギーと言われた核融合の研究に起因しています。たとえば、核融合では、高温のプラズマを長時間保持が大事ですが、それを阻止するのが先に述べた集団運動による不安定性です。この頃、私は宇宙プラズマを対象としてプラズマを勉強し始めたのです。最近では、真空管の電子、イオンの運動、プラズマの振舞は電気/電子工学科ですらほとんど勉強していないのですが、ちょっと難しいこのプラズマを勉強してはとおすすめしたい。電磁気が基本ですが、統計力学、電磁流体学、原子物理学、分光学、物性論などと関係し、プラズマを深く理解することにより、幅広い学問領域に触れることが出来るのです。


 プラズマの基礎でも学び、電子とイオンの動きが描けるようになると、電気電子材料や電子デバイスなど他分野の内容についても深い理解が得られる。電子とイオンが関わっている現象は、プラズマで培った知識を基本にすれば、何の抵抗もなく理解できる。溶接、エッチング、薄膜形成などから、最近ではプラズマを用いたガン医療分野など、新しい応用の展開が大いに期待されます。

<予知するアンテナから>
人も電子もイオンも集団運動をすると思いもよらない事が起きる